ヨーガをはじめる

ヨーガの歴史

ヨーガの歴史

インダスのヨーギン

インダスの修行者

ヨーガの歴史は、インダス文明の考古学的資料から、ヨーガ的な姿勢で座ったさまは紀元前2000年頃まで遡ることができます。しかし、文献の上にヨーガが何らかの実践体系であると明確に表されるのは、ブッダ時代の紀元前6世紀~4世紀頃になります。

「感覚器官を堅く抑制し、その活動を静止し動かなくなった時、これを至上の境地といい、これをヨーガと見なしている。」

『ヨーガ・スートラ』

『ヨーガ・スートラ』

これは、あるウパニシャッドに書かれたものですが、これが歴史的なヨーガのはじまりとされています。
このように、自身のあり方を真剣に見つめる方法をおしえたヨーガの発見以来、人々の苦悩を解放する希望の旗印としてヨーガは急速に浸透していきました。それは、まさにインド精神史上における新時代の開闢であり、人々に大きな夢と希望をあたえたのです。
このヨーガの系統は多方面に影響を与え、ブッダの修行もヨーガの手法に沿ったものでした。そうして、紀元後5世紀ころには根本聖典『ヨーガ・スートラ』が完成します。

10世紀ころまでの間に、ヨーガは他の思想のからも多くの影響を受けるようになっていきます。そうして新たな形としてできあがったものが、ハタ・ヨーガです。『ヨーガ・スートラ』の伝統的ヨーガがこころの探究に重きを置いていたのに対して、ハタ・ヨーガでは、より具体的なからだの探求もされるようになっていきます。こころの探究をする瞑想には、安定した姿勢で座ることが不可欠だったからです。
中国、日本に伝わった仏教には、古い時代のヨーガ的な実践があちこちに入り込んでいます。坐禅や念仏はその最たるものです。その後、長い時を経て大陸から新しい仏教を伝えいれ、日本の仏教は、独自に発展していきます。

リシケシの行者

リシケシの行者

近現代になって、日本にインドのヨーガをはじめて伝えたのは、中村天風師だといわれています。その後、雄弘ヨーガの祖師でもある佐保田祖師が、日本の仏教学やインド哲学的根拠を重視した上で、ヨーガの思想と実践を明確にされました。理論と実践、行学二道のヨーガ行者は、佐保田祖師をおいてはおられませんでした。

日本のヨーガは、日本に根ざした仏教の伝統の上に、ここ100年の間に先人諸師によってあらためて伝えられたものです。長い日本仏教の伝統のなかで、共通する先祖を持つヨーガと仏教が再会した形で取り入れられています。
日本ヨーガ光麗会では、この歴史的経緯や文化的視座を重んじた上で、近現代に導入されたインドのヨーガを再構築して行っています。

ヨーガの歴史

TOP