お知らせ
新年、あけましておめでとうございます。
2018.01.01
新年、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくおねがいします。
年々振り返ってみるに、ヨーガの思想と実践に多くのご加護を感じるようになってきました。皆様は如何でしょうか。
今年みなさまに送った言葉は、「煩悩即菩提」。この題字は先代雄弘師によるものです。先代が事あるごとに使っていた言葉です。実は、佐保田鶴治祖師が先代に託した言葉でもあります。
これは直接的には「煩悩を断ずることなく涅槃を得る」という意味で、両者は相即不二の関係で用いられます。
迷い世界の根源とも言える煩悩の世界から厳しい修行を経て菩提の境地、つまり、悟りの世界を目指すのですが、この両者は別ものではない、ということです。また、この世的日常生活を完遂して行く中に、菩薩の道、悟りの世界が見えるということでしょう。
煩悩のもともとの意味は、私たちの心に迫って覆い被さるような苦悩や汚れをいいます。そうした煩悩に満ちた状態から解放されるべくヨーガの修行が説かれています。
煩悩が出発点で涅槃が終着点とする場合、涅槃の妨げとなってる煩悩を否定する仕方が、伝統的に「抑止したり制御する」、「取り除く、分離する」、「離れる超越する」の三つのパターンが示されています。
『ヨーガ・スートラ』の場合は、煩悩を含む「心の働きを止滅する最初のパターンで示されていることになります。
煩悩即菩提という場合にもいくつかの捉え方があるのですが、煩悩を認めつつもそれを否定するのではなく超越し、翻弄されない信頼に足る自分自身を創り上げることだといえるでしょう。
「たとえ苦しいことが多々あっても、この世的責任から目を背けることなくきちんと果たしながら、煩悩、苦悩を超越していきなさい」と教えられる言葉ですね。
この言葉を胸に、「念念従心起。念念不離心。」「歩々直入。」、瑜伽精進したいと思います。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。 合掌
※今回の題字も去年に行き続き、先代瑜祗雄弘 番場一雄師のものを使用し,更に思想的継承を意味づけるべく、佐保田鶴治祖師のものも引用致しました。